髪を抜く癖がある?抜毛症とは
育毛お役立ちコラム
2022.12.26
抜毛症はご自分の毛を引き抜いてしまう症状です。症状と向き合うには、本人と周りの人が抜毛症への理解を深める必要があります。
本記事では、抜毛症の原因や治療方法を解説します。
目次
- 1.抜毛症とは
- 2.抜毛症になる原因
- 2-1.抜毛症は精神的な原因で起きる
- 2-2.抜毛症になりやすい人
- 3.抜毛症を治療するには
- 3-1.抜毛行為の原因を解消する
- 3-2.抜毛行為を責めない
- 3-3.薬物を使用する方法もある
- 3-4.症状が落ち着いたら頭髪のケアをする
- 4.抜毛症は焦らずに付き合うことが大事
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抜毛症とは
抜毛症は、名称のとおり自分の毛を抜いてしまう症状のことです。トリコチロマニアとも呼ばれています。
幼少期や10~20代の多感な年代に発症しやすく、患者の9割ほどを女性が占めています。しかし、近年は成人男性でも発症する例が増えており、年代や性別との関連は明確ではありません。
抜いてしまうのは利き手側の頭髪であることが多いですが、まつげやまゆ毛などが対象になることもあります。手で力任せに引き抜くため、抜かれた部分はまばらに毛が残っている状態です。毛を抜く際の強い圧力によって皮膚がダメージを受け、赤くなることもあります。
抜毛症は頭髪の一部がなくなって地肌が見え始める症状から、円形脱毛症と勘違いされやすいです。抜毛症と円形脱毛症の大きな違いは、抜けた場所の形です。円形脱毛症は脱毛した部分が円形や楕円形をしていますが、抜毛症の場合は決まった形がありません。
抜毛症になる原因
抜毛症と向き合うには、原因を知ることが大切です。円形脱毛症や頭部白癬とは大きく違う抜毛症の原因と、なりやすいタイプを知っておきましょう。
抜毛症は精神的な原因で起きる
抜毛症は、皮膚やホルモンの病気ではなく精神的なものが原因とされ、ストレスや不安感が大きく関わっていると考えられています。
ストレスや不安を抱えた状態で毎日を過ごしていると、苦しさや辛さから逃れる術を探し始めることもあるでしょう。誰かに相談したり1人でゆったり過ごしたりと、方法は人によって違いますが、その中に自傷行為があります。
抜毛症も自傷行為の一つだと考えられています。一度抜毛を始めると、抜く前の緊張感と抜いた後の解放感が快感になり、それが癖になって継続してしまう状態と考えられています。
抜毛症になりやすい人
抜毛症は、幼少期や思春期の多感で不安定な年代の人に多い症状です。思春期頃からの抜毛症は、頭髪が薄いことが気になり、そのストレスによって悪化するという悪循環を作ることがあります。
また、抜毛症になる人は大人しい人や考え込むタイプが多く、性格の影響も大きいようです。ストレスを解消するのが苦手で不安を感じやすく、1人で抱え込むことが多い人ほど発症しやすいと考えられます。
自尊心が低く、自己否定的な人も抜毛症になりやすいです。幼少期の虐待など辛い経験が根底にあることも考えられるため、抜毛症の人と向き合う場合はデリケートな部分への配慮も求められます。
抜毛症を治療するには
抜毛症は精神的なものに起因していることが多いので、薬ですぐに治すことは難しいかもしれません。長期的に症状と付き合いながら治療する方法をご紹介します。
抜毛行為の原因を解消する
抜毛症を治療するには、抜毛行為の原因を見つけて解消することが大切です。ストレスの原因を可能な限り減らし、抜毛行為の頻度を減らします。
ストレスは人によって大きく違いますが人間関係や将来への不安、家族との問題などが多いです。複数の要因が絡み合っていることや、本人にはストレスの自覚がないこともあります。
まずは辛さや苦しさを感じることを見つけて、それらから離れることから始めてみましょう。必要に応じて専門家のカウンセリングを受けるのも良いでしょう。
抜毛行為を責めない
抜毛症によって薄くなった毛は、抜毛行為をやめれば元に戻ります。そのため、周囲の人は抜毛行為を見つけると、ついつい注意して無理に止めてしまいがちです。しかし、そうした行為は逆効果となることもあります。
本人も抜毛行為をしたくて続けているのではなく無意識や発作的にしてしまうため、強く注意してしまうと精神的な負担となり、抜毛行為が増える恐れがあります。
抜毛行為は原因が解消しない限り、一度止めても繰り返されるものです。急に改善することは難しいため、患者に寄り添って少しずつ回数を減らすようにしましょう。
本人も、抜毛行為をするご自分を責めず、心にゆとりを持って治療を進めることが大切です。
薬物を使用する方法もある
抜毛症そのものを改善する薬はありません。しかし、抜毛行為の原因になっている心の負担を減らすため、抗不安薬や抗うつ剤などを使用することがあります。また、抜毛症の他に精神疾患を発症している場合は、その疾患に対応した薬を使うこともあります。
薬物療法は効果が高い反面、依存性を始めとしたデメリットもあります。医師から提案を受けた場合は、十分に薬物への理解を深めてから結論を出しましょう。
症状が落ち着いたら頭髪のケアをする
抜毛行為によって薄くなってしまった頭髪は、ほとんどの場合抜毛行為をやめれば徐々に元に戻るでしょう。抜毛症になる年代が比較的若いため、抜毛行為がなくなれば、外見の悩みは解消されていきます。
しかし、長い間抜毛行為をしている人や年齢を重ねている人は、元に戻るペースが遅くなります。そのような場合は、育毛効果のある薬を使って頭皮のケアをしてあげましょう。
抜毛症は焦らずに付き合うことが大事
抜毛症は痛々しく、本人も苦しむとても辛い症状です。ストレスや不安の原因をできるだけ解消しながら、長期的な視点で心の負担を減らす必要があります。
同時に周囲の人は抜毛行為を責めず、寄り添って一緒に治していく気持ちを持つことも大切です。
失ってしまった頭髪は、抜毛行為が止まればほとんどの場合は元に戻ってきます。まずは、心のケアを何よりも重視し、楽しいことやリラックスできることを見つけましょう。
記事監修
毛髪診断士:湯藤ゆい