亜鉛に育毛効果があるって本当? 育毛に良いとされる理由や適切な摂取量、摂取のポイントを解説
育毛お役立ちコラム
2024.06.07
薄毛に悩む方の中には、「亜鉛は育毛に効果がある」という噂を聞いたことがある方もいるかもしれません。亜鉛は髪の毛に良いとされるのは事実ですが、適切な知識を持たないと逆効果になってしまう恐れもあるので、注意が必要です。どの程度亜鉛を摂取すれば、育毛効果が期待できるのでしょうか。
本記事では薄毛に悩む方のために、亜鉛が育毛に良いとされる理由や適切な亜鉛の摂取量、亜鉛の過剰摂取によるリスク、亜鉛を摂取するポイントを紹介します。薄毛対策に亜鉛を取り入れようと考えている方は、本記事を参考にして、適切に亜鉛を摂取しましょう。
目次
- 1.そもそも亜鉛とは?
- 2.亜鉛が育毛に良いとされる理由
- 2-1.髪の毛の生成をサポートする
- 2-2.ヘアサイクルを正常化する
- 2-3.AGAの進行を抑える
- 3.亜鉛が不足しがちな方の特徴
- 4.亜鉛の過剰摂取によるリスク
- 4-1.抜け毛を引き起こす
- 4-2.体調に異変が起きる可能性がある
- 5.適切な亜鉛の摂取量
- 6.育毛を目的に亜鉛を摂取するポイント
- 6-1.適切な摂取量を守る
- 6-2.亜鉛以外の栄養バランスも重視する
- 6-3.規則正しい生活を意識する
- 7.適切に亜鉛を摂取して薄毛の改善を目指そう
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そもそも亜鉛とは?
亜鉛とは必須ミネラルの一種です。
ミネラルは炭水化物・タンパク質・脂質・ビタミンと併せて、人間が生命を維持するために欠かせない五大栄養素の一つです。体内で合成できないため、ミネラルは食事などで摂取しなくてはなりません(※1)。ミネラルは100種類以上あるとされており、そのうち通常の食事では不足しやすいものは、必須ミネラルと呼ばれます(※2)。
亜鉛は骨や筋肉、皮膚、内臓、髪の毛など体のさまざまな組織に存在し、タンパク質やDNAの合成を助ける栄養素です。免疫力向上をはじめ抗酸化作用、味覚の維持、生活習慣病予防、子どもの骨の発達や男性の生殖機能の改善、女性の生理痛・生理不順の改善などにも効果が期待できます(※3)。
※1参考:厚生労働省.「ミネラル」.https://www.e-healthnet.mhlw.go.jp/information/dictionary/food/ye-035.html.
※2参考:分子生理化学研究所. 「身体の調整に欠かせない栄養素~ミネラル~」. https://www.mpc-lab.com/blog/20200619.
※3参考:日本臨床栄養学会.「亜鉛欠乏症の診療指針2018」.http://jscn.gr.jp/pdf/aen2018.pdf.
亜鉛が育毛に良いとされる理由
前述した通り、亜鉛は髪の毛にも存在する栄養素です。育毛に良いとされるのは、髪の毛の生成をサポートしたりへアサイクルを正常化したりと、さまざまな効果が期待できるからです。亜鉛が育毛に良いとされる3つの理由を見ていきましょう。
髪の毛の生成をサポートする
亜鉛が育毛に良いとされるのは、髪の毛の生成を促すからです。
髪の毛は、およそ80~90%がタンパク質で構成されており、そのタンパク質のうち90%程度はケラチンと呼ばれるタンパク質で構成されています。食事で摂取したタンパク質は体内でアミノ酸に分解され、ケラチンに合成されます。この合成をサポートするのが亜鉛です。亜鉛がなければいくらアミノ酸を摂取してもケラチンは合成されないため、髪の毛の生成がスムーズに行われません。
亜鉛をしっかり摂取できていれば、アミノ酸がケラチンに合成され、健やかな髪が生えやすくなります。
ヘアサイクルを正常化する
ヘアサイクルを正常化させる効果が期待できることも、亜鉛が育毛に良いとされる理由の一つです。
ヘアサイクルは成長期・退行期・休止期があり、ヘアサイクルが正常な状態では髪の毛の約90%が成長期にあるとされています。薄毛になってしまうのは、何らかの原因でヘアサイクルが乱れ、成長期の毛が減ってしまうことが一つの原因です。
髪の毛は毛母細胞が分裂することで成長します。亜鉛はこの毛母細胞の分裂に欠かせない栄養素です。亜鉛不足になると毛母細胞の分裂がスムーズにできず、髪の毛が成長し切らないうちに退行期に入って髪が抜けてしまい、薄毛になってしまうことがあります。
またヘアサイクルを乱す原因の一つとして、5αリダクターゼという酵素が影響しているとされています。亜鉛にはこの5αリダクターゼの働きを抑える効果もあるとされていることも、育毛に良いとされる理由の一つです。
AGAの進行を抑える
亜鉛が育毛に良いとされるのは、AGAの進行を抑える効果が期待できるからです。
AGA(男性型脱毛症)は、男性ホルモン「テストステロン」が「ジヒドロテストステロン」に変化し、男性ホルモン受容体「アンドロゲンレセプター」と結び付くことで引き起こされるといわれています。テストステロンがジヒドロテストステロンに変化する際には、5αリダクターゼが関係しています。
前述した通り、亜鉛には5αリダクターゼの働きを抑制する効果があるため、テストステロンがジヒドロテストステロンに変化するのを防ぎ、AGAの進行を抑える効果が期待できるでしょう。
亜鉛が不足しがちな方の特徴
前述した通り、亜鉛は体で合成できないミネラルの中でも、食事で不足しがちな必須ミネラルなので、意識的に摂取しないと不足してしまう可能性があります。
またお酒を飲む機会が多い方は、特に亜鉛が不足しやすいです。お酒を飲んだ後に体内でアルコールの代謝が行われる際に、亜鉛が必要になります。またアルコールは尿として亜鉛を排出する作用もあるため、お酒を多く飲む方は亜鉛不足に注意が必要です。
ベジタリアンやビーガンの方など野菜を中心とした食生活をしている方も、亜鉛を含む食品が不足しやすいです。また加工食品やレトルト食品ばかり食べている方も、亜鉛不足になりやすい傾向にあります。
亜鉛の過剰摂取によるリスク
亜鉛不足になると髪の毛の成長を妨げたりAGAを進行させたりするため、薄毛になってしまう可能性があります。しかし亜鉛を過剰摂取してしまうのも良くありません。
亜鉛を過剰摂取すると、どのようなリスクがあるのでしょうか。3つのリスクをご紹介します。
抜け毛を引き起こす
亜鉛を過剰摂取すると、抜け毛を引き起こしてしまうリスクがあります。
亜鉛はケラチンの生成をサポートしますが、髪の毛の生成に必要なのは亜鉛やアミノ酸だけではありません。亜鉛を摂り過ぎてしまうと、髪の成長や維持に必要な栄養の供給が阻害されてしまうことがあり、結果として抜け毛になってしまう可能性があります。
また亜鉛を過剰摂取すると、銅がスムーズに吸収されなくなるため貧血状態となり、頭皮に十分な酸素が行き渡らなくなるかもしれません。頭皮が酸素不足になると毛母細胞が弱ってしまい、髪の成長を妨げてしまう恐れがあります。
※参考:厚生労働省eJIM.「亜鉛[サプリメント・ビタミン・ミネラル - 医療者]」.https://www.ejim.ncgg.go.jp/pro/overseas/c03/19.html.
体調に異変が起きる可能性がある
亜鉛の過剰摂取によって、体調に異変が起きる可能性もあります。
亜鉛を摂り過ぎて貧血状態になるのは、頭皮だけではありません。全身にも十分な血が行き渡らなくなるため、亜鉛を取り過ぎると立ちくらみやめまい、頭痛、息切れなどの貧血症状が出てしまう恐れもあります。
また吐き気や食欲不振、下痢や胃痙攣、腹部の痛み、免疫障害、腎障害なども、亜鉛の過剰摂取によって起きる可能性がある症状です。男性の場合、前立腺肥大のリスクが高まる恐れもあるので、健康管理のためにも亜鉛の過剰摂取は避けましょう。
※参考:厚生労働省eJIM.「亜鉛[サプリメント・ビタミン・ミネラル - 医療者]」.https://www.ejim.ncgg.go.jp/pro/overseas/c03/19.html.
適切な亜鉛の摂取量
では、どの程度が適切な亜鉛の摂取量なのでしょうか。
厚生労働省が示す一日の亜鉛の摂取推奨量は以下の通りです(※)。
|
男性 |
女性 |
15〜17歳 |
12mg |
8mg |
18〜74歳 |
11mg |
8mg |
75歳以上 |
10mg |
8mg |
上記を目安として、亜鉛を摂取するようにしましょう。ただし女性の場合、妊娠中であれば10mg、授乳中であれば12mgが摂取推奨量となります。
※参考:厚生労働省. 「日本人の食事摂取基準(2020年版)」P374. https://www.mhlw.go.jp/content/10904750/000586553.pdf.
育毛を目的に亜鉛を摂取するポイント
髪の毛に良いとされる亜鉛を育毛を目的に摂取する場合、どのようなポイントに気を付ければ良いのでしょうか。3つのポイントをご紹介します。
適切な摂取量を守る
亜鉛を摂取する際は、適切な摂取量を守りましょう。
育毛効果を感じるために、多く亜鉛を摂取したいという方もいるかもしれません。しかし前述した通り、亜鉛の過剰摂取は髪の毛にも体にも悪影響を及ぼす恐れがあります。一日の適切な摂取量を守るようにしてください。
亜鉛以外の栄養バランスも重視する
育毛目的で亜鉛を摂取する際は、亜鉛以外の栄養バランスも重視しましょう。
前述した通り、髪の成長に必要なのは亜鉛だけではありません。アミノ酸をはじめ、その他の栄養素が不足していると、いくら亜鉛を多く摂取しても育毛効果は期待できないでしょう。
亜鉛を多く含まれる食品を意識的に摂取しつつも、栄養バランスが取れた食事を心掛けてください。食事だけで摂取推奨量に満たない場合は、サプリメントで取り入れるようにすると良いでしょう。
また豆類や穀物に多く含まれるフィチン酸や、コーヒー・紅茶・緑茶に多く含まれるタンニン、玄米・カニ・いくらなどに含まれるリン酸は、亜鉛の吸収を妨げてしまう作用がある栄養素です。食物繊維も摂取し過ぎると、亜鉛がスムーズに吸収できないとされています。効率良く亜鉛を摂取するには、食べ合わせを意識することも大切です。
亜鉛が多く含まれる食品
亜鉛が多く含まれる食品をご紹介するので、食事の際の参考にしてみてください(※)。
- 牡蠣(100g):0mg
- ホタテ(100g):7mg
- うなぎ(100g):4mg
- 牛肩ロース(100g):6mg
- 牛もも肉(100g):0mg
- 牛バラ肉(100g):0mg
- 鶏もも肉(100g):7mg
- 豚ロース(100g):6mg
※参考:文部科学省.「食品成分データベース」. https://fooddb.mext.go.jp/index.pl.
規則正しい生活を意識する
亜鉛を育毛目的で摂取する際は、規則正しい生活を意識することも大切です。
いくら栄養バランスを考えつつ亜鉛をしっかりと摂取しても、不規則な生活で体がストレスを感じると、薄毛の原因となってしまいます。睡眠中は発毛を促す成長ホルモンが多く分泌されるため、しっかりと睡眠時間を確保しましょう。またストレスをため込まないように、適度に発散する習慣を作ることも大切です。
適切に亜鉛を摂取して薄毛の改善を目指そう
本記事では薄毛に悩む方のために、亜鉛が育毛に良いとされる理由や適切な亜鉛の摂取量、亜鉛の過剰摂取によるリスク、亜鉛を摂取するポイントを紹介しました。
亜鉛は髪の毛に良い効果がありますが、摂取し過ぎると逆効果になってしまい、体にも悪影響を及ぼしてしまう可能性があります。紹介した適切な摂取量を守るようにしてください。また亜鉛だけを摂取しても育毛効果は期待できません。バランスの良い食事を心掛け、規則正しい生活を意識しましょう。