毛深さと薄毛の話
育毛お役立ちコラム
2022.11.01
最近の時代傾向として、“清潔感”を大事にする男性が増えているのをご存じでしょうか。
巷ではジェンダーレス化粧品が増え、男女関係なく化粧を施したり、男性用洗顔料のCMも多く流れるようになった影響か、毎朝丁寧に洗顔してたっぷりと時間をかけて化粧水でスキンケアをするといった男性も以前より多くなっています。
その一環で、毛深い事を気にして、ひげ脱毛や、腕毛、すね毛を剃毛したり脱毛をする男性も増えているようです。また、昔から、毛深いと薄毛になりやすいという噂話を聞いた事がある方もいらっしゃるかと思います。そこで、今日は毛深さと薄毛の関係性についてお話をしていきます。
目次
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そもそもどうして人によって毛の濃さが違うの?
体毛が薄い人は、濃い人に比べて手入れの頻度が少なくて済むため、手間もかからないですし肌への負担も少なくて、とても得をしているように思えてしまいます。 実は、毛深さは、遺伝とホルモンバランスが深く関係しています。
毛深さのほとんどは「遺伝」によって決まってきます。毛深い遺伝子を引き継ぐと、体毛が濃くなりやすいと言われ、「毛穴一つから体毛が何本生えてくるか?」という毛の密度が引き継がれることによって体毛の量が決定します。
毛穴の数に関しては、胎児の段階で決まり、大人になってから毛穴が増えることはりません。毛穴の数は男女差も特になく、体毛が濃い人と体毛が薄い人を比較してもそこまで差はありません。
実際に毛穴から毛が生えてくるかどうかが人によって異なり、これがいわゆる「毛深さ」の印象の違いになります。
毛の濃さを決めるメカニズムは?
体毛の濃さに関係するのは、「テストステロン」と呼ばれる男性ホルモンです。
詳しく言うと「テストステロンの分泌量」の遺伝によって体毛の濃さが決まります。
テストステロンは、男性らしい身体づくりに欠かせないホルモンです。体毛を増やすだけではなく、筋肉や骨格の発達を促したり、意欲的に生活する上では欠かせないホルモンとなります。
思春期以降に髭が生え、体毛が濃くなるのは、テストステロンの分泌量が急激に増えるためです。分泌量のピークは20〜30代で、それ以降はゆるやかにに減り続けます。
また、毛が濃くなるもうひとつの原因に「ホルモンバランス」が影響していると考えられています。一般的に、「髪の毛」は体内で放出されている女性ホルモン、「体毛」は男性ホルモンが影響していて、女性よりも男性の体毛が濃かったり、男性の髪が薄毛になりやすかったりするのも、ホルモンバランスの影響なのです。女性でも体毛が濃い方は、体内で男性ホルモンの分泌量が増えていることが予測されます。
ホルモンバランスは、食生活や生活習慣を整えることで改善できます。ホルモンバランスを日頃から意識する事で、体毛に対する対策ができます。
薄毛になるメカニズムは?
薄毛と結びつきが深いのは、テストステロンの形が変化した「ジヒドロテストステロン」と呼ばれる男性ホルモンです。
ジヒドロテストステロンは、血中のテストステロンが毛根周辺に存在する酵素(5α-リダクターゼ)と結合すること生成されます。
生成されたジヒドロテストステロンが毛根に存在する毛乳頭に結合して、髪の成長を強制的に停止します。この影響によって、通常3〜5年はしっかりと伸び続けるはずだった髪の毛が数ヶ月〜1年ほどで抜けてしまうことで薄毛になるのです
男性の胎児が成長する過程で、性の分化にかかわるのがジヒドロテストステロンで、成人期以降はAGA(男性型脱毛症)をはじめ、ニキビ、前立腺肥大など男性にとってあまり嬉しくないはたらきをすることから「薄毛ホルモン」や「悪玉の男性ホルモン」と呼ばれることもあり、年齢とともに産生量が増えます。
体毛が多いからと言って薄毛になるわけではない
体毛を濃くするホルモンは「テストステロン」、髪を薄くするのは「ジヒドロテストステロン」と言うことはご理解いただけましたでしょうか。
つまり、【体毛が濃い(テストステロンが多い)=薄毛になる(ジヒドロテストステロンが多い)】とはならないのです。
薄毛に影響するのは、あくまでテストステロンをジヒドロテストステロンへ変換させる酵素(5α-リダクターゼ)の量や活性化具合によって薄毛になるかどうかが変わってきます。
体毛が多いからと言って、薄毛になる訳ではありませんが、毛深い方はテストステロンの量が多いのも事実です。その為、体毛が濃い人の場合、5α-リダクターゼの活性や量が同じでも、体毛が薄い人よりAGA(男性型脱毛症)の影響を受けやすいことも事実です。
遺伝以外の生活習慣などを改善する
男性における薄毛のなりやすさは遺伝的な要素が強いですが、遺伝以外の要素であるストレスや生活習慣の問題などからも強く影響を受けるので注意が必要です。
過度なストレスを避ける
昨今、ストレスによって身体に様々な不調を引き起こすことは有名になってきました。ストレスは精神的なものが注目されますが、身体的なストレスによっても脱毛が起こる可能性もあります。自律神経の乱れなどによって睡眠の質が低下したり、血流が悪化したりすることにより、頭皮にも血流が悪化し髪の毛に必要な栄養が届かず、大きな影響がでる可能性は十分にあります。
また抜け毛の本数が多い場合、ストレスによる異常脱毛の可能性が考えられます。
1日に抜ける髪の毛の本数は50本〜100本とされており、普段より抜け毛が増えたと感じる場合、ストレスによる異常脱毛の可能性があります。
特に過度なストレスは円形脱毛症などの脱毛症を引き起こす要因とされています。
抜け毛を防ぐためにも、適度な運動を行ったり自分に合った方法で、ストレスを解消することが大切です。
食事と睡眠
食生活を改善することでも髪の毛を成長させます。そのためにはタンパク質やビタミン、ミネラルなどの栄養素が必要です。極度のダイエットや食生活の乱れによって髪の毛に必要な栄養素が不足することがあるので気を付けましょう。
また、睡眠中の成長ホルモンにより髪の毛のダメージを回復させているため、睡眠が不足すると髪の毛にダメージが残ります。そのため、髪の毛の健康を保つためにも栄養バランスが取れた食事と適切な睡眠を取ることが重要なカギとなってきます。
遺伝は自分の力で改善できませんが、食生活と十分な睡眠で生活習慣を改善し、薄毛対策を行っていきましょう。
記事監修
毛髪診断士:中野さやか